鋭画計画建設予定地

「鋭画計画」と書いて「エイカクケイカク」と読みます。シナリオとか小説を書いているユニット鋭画計画のblogです。告知や宣伝などなど

アニメ制作会社、制作部。第1巻のお話。

こんにちは、鋭画計画です。

 

昨年の11月末の第19回文学フリマで初頒布したシナリオ本「アニメ制作会社、制作部。」の第1巻について少し書いてみようと思います。

【アニメ】「アニメ制作会社、制作部。1巻の表紙。」イラスト/鋭画計画 [pixiv]

 

本自体には第1話〜第3話と書き下ろしの第1.5話が収録されています。

 

アニメ業界を舞台にしてはいますが、メインとなるのはアニメーション制作会社、有限会社三鷹プロダクション。通称みたかプロ。

そこの制作部で働く制作進行達を軸に物語は進んでいきます。

アニメーションの制作工程のほぼ全てに関わる制作進行達が主人公なので監督やキャラクターデザインなどのメインスタッフから、作画スタッフ、色彩・仕上げ、美術、音響、編集、メーカーなどなど様々なアニメ作りに関わる人たちが登場します。

といってもまだ第1巻ではそんなにキャラクターは登場していないのですが。

今後の巻で増えていきます。

 

第1話の冒頭は制作デスクの伏見と堀田のシーンから始まります。

午前中、伏見はスーツを着て転職活動をしていて、面接を受けています。

デスク(制作進行達をまとめる役職)の伏見はキャラクターデザインである麻生と揉めており作品の進行に影響を与えています。自分自身が辞めることで作品が良くなると考えた伏見は大学時代の先輩を頼り、転職先を紹介してもらいます。

 

一方で、堀田は納品直前の話数に付きっきりでスタジオに泊まっており机の下で寝ています。1本の電話が鳴り、寝ぼけながら電話に出ると撮影セクションから届いてるはずの荷物が届いていないと怒鳴られます。

担当の進行を起こして確認しようとすると机には山積みのカット袋の上に「すみません」と書かれた紙が。

 

スタッフと揉め、自分の進退に悩む伏見と納品直前で担当進行が飛んだ(※辞めた)堀田の2人のデスクを中心に物語は進行していきます。

 

 

第2話は、第1話で入社してきた新人・日比野と指導係の先輩進行・本山のお話です。

アニメ業界でよく言われる「1日もったら3日もつ。3日もったら1週間もつ。1週間もったら1ヶ月もつ。1ヶ月もったら3ヶ月も つ。3ヶ月もったら1年もつ。1年もったら3年もつ」という言葉通り、大体辞める人たちはこの周期で辞めることが多かったりするのですが、日比野も入社してから1ヶ月が経ちます。

本山の下で雑用をこなしつつ、進行業務を覚えていく日比野ですが慣れない不規則な生活に加え、怒鳴られたりミスをしたりと疲労が重なっていき、遂には社用車で自損事故を起こしてしまいます。

本山は本山で指導する際にキツいと周りから言われ、うまく距離感をつかもうと試行錯誤しますが裏目に出ていきます。

そんな状況で、2人がぎくしゃくしたまま本山が抱える話数の納品当日を迎えることになります。

 

2年目の本山と新人の日比野のコンビが制作進行の仕事を通して成長していきます。

 

 

第3話は前半に伏見班の作品のロケハン、後半は本山の帰省話になっています。

原作のある作品をアニメ化する際、その原作の舞台になった場所にスタッフとロケハンに行く場合があります。そのロケハンを描いております。

後半の本山の帰省話は堀田班の作品の最終話納品が終わり各自、順番に休暇を取っていくのですが、その休暇で本山が実家に帰り同窓会に出る話です。

いい年して好きなことを仕事にして都会で仕事しているお前は羨ましいよ、と同級生に言われる本山はモヤモヤとした気持ちを抱えることになります。そんな中、数年ぶりに元カノと出会う本山。

制作部から少し離れた話で構成された話数となっています。

 

書き下ろしの第1.5話は、その名の通り第1話と第2話の間のお話。

毎年恒例のスタッフ達の懇親会を兼ねた花見が催されることになるというお話です。

 

 

5月4日の文フリと5月5日のコミティアで初頒布の第2巻では第4話〜第5話、そして書き下ろしの第5.5話を収録です。

お時間ある方は是非、足をお運び下さいませませ。

 

 

【シナリオ】「アニメ制作会社、制作部。2巻の表紙。」イラスト/鋭画計画 [pixiv]